29 November 2024

11月25日、27日

 11月25日
一風来にて、歌の柿崎さとみさん、ハンマーダルシマーの小松﨑健さんと僕によるカッキートリオ、2回目のライブでした。
週初めでしたが、思ったより多くの方がお越しくださり感謝です。曲は初回ライブと同じくイタリアとイギリスのルネサンスを中心に。リュートの音が大きくなった、と評価を頂きました。音が小さいと言われがちなリュート、元はと言えば僕はそこに魅力を感じて始めたところもあるのですが、実際はそこそこ音の出る楽器だと思います。僕の師匠のシグルンは特に音が大きく、あるコンサートではあまりによく聞こえるので、スピーカーから出ているのかと思ったほど。ひ弱なイメージをどうにか払拭したいと取り組み続けてきたのが、ようやく少しずつ形になってきた気がしました。
カッキートリオ、ますます勢いに乗って、次回は年末12月28日、そして2月にもライブが決まりました。

11月27日
みんたるにて、マンスリーライブ第2回でした。今回のテーマはイングランドとしました。有名なダウランドをはじめ親しみやすい曲が多く、言語も英語なので抵抗感が少ない気がする地域です。僕も最初によく聴いていたリュートCDのうち一枚はスティングのダウランドだったし、練習する曲もイングランドものが多かったのですが、リュートに深入りするうちにイタリアやスペインの音楽に軸足が移っていき、イングランドのソロ曲はめっきり弾かなくなっていました。初心に帰るためにも、今月は密かにイングランド月間にしていたのです。

プログラムは、ダウランドはあまりに有名なので他の人たちをぜひご紹介したいと思い、最終的にリュート作曲家としてはダウランド以外に9人が揃いました。準備をしていて、こんなにたくさんいたんだ…と思いましたが、これでも網羅はできていません。準備しきれなかった曲もあり、今後も取り組んでいきたいと思いました。今回もたくさんの方がお越しくださり、感謝しかありません。もっと良い演奏ができるようにならなければ、とひしひし感じました。

今日の1曲
Imogen Heap  'Hide And Seek'
イングランド繋がりで。ただただマジカルな4分半。幼少期の両親の離婚経験を元に書いたと言われていますが、不幸な経験が素晴らしい芸術を産み他の人を幸せにする切なさを感じずにいられません。つい先日、詳細を忘れてしまいましたが、確かあるルネサンス時代の人の「芸術家はその才能で自分自身が癒されることはない」といった意味の言葉を目にしました。まさにそんな曲だと思います。


19 November 2024

11月17日、18日

11月17日
札幌市豊平区の豊平教会にて、中世音楽コンサートにゲスト出演させて頂きました。
何よりまず、初めて見るアルメニアの笛ドゥドゥクに興味津々。奏者の藤川さん曰く「良いリードに当たった」そうですが、とても素敵な音色でした。古く懐かしくも、モダンにも聞こえる、不思議な音。
コンサートは中世の写本の解説にかなり時間をかけながら進みましたが、終演後のアンケートでは、もっと話を聞きたいという声も多くあり、ニッチ分野でもこんなに興味を持ってくれる方がいるんだと嬉しい気持ちでした。


11月18日
一風来でのソロ演奏でした。こちらでも毎月演奏させて頂けることになり、主にランチの時間帯に、気まぐれメニューならぬ気まぐれ演奏で、ニッチ音楽を気軽に聴いて頂けるようにしたいと考え中。
今回は、ライブ・コンサートでは初めてウクレレを導入してみました。僕にとってはウクレレも大事な楽器、ライブの場で弾いてみたいとはずっと思っていたのです。やっぱりリュートの方がインパクトがあるからか、導入の効果のほどは微妙でしたが、いつか誰かが何かを感じてくれるのを期待して、また懲りずにやってみたいと思います。

今日の1曲
Jacob Collier  'Never Gonna Be Alone'
Blogothèqueの動画が出てきたので、やっと話題のJacob Collierを聴いてみたら、なるほどすごかった。音楽の星の元に生まれた人っているんだなぁ。バンドの人たちも何か全員すごい。Blogothèqueの映像もいつも素敵だなと思います。


11 November 2024

11月10日 ギャラリーあまりや

今日は札幌近郊の長沼町にある「ギャラリーあまりや」さんにて、開催されていたイベントの出店者さんにお招き頂き、演奏してきました。

今日の演奏曲は、ほぼイギリス(イングランド)ものでまとめました。お店の雰囲気やオーナー靜子さんの暮らしなど、僕はイングランドの静かな田園を感じるのです。長沼の開けた土地も、起伏の比較的少ないイングランドにありそうな風景です。

今日聴いてくださった方々は、みなさん超パワフル。コンサート中から演奏後までリュートの質問攻め。僕もまだまだ分からないことばかりなので、答えに困ることもしょっちゅうですが、自分の大切な音楽と楽器のこと、聞かれれば聞かれるほど嬉しいものです。温かい声に囲まれ、改めて、演奏者として一層頑張らなければと身に沁みて感じました。

お店に着く少し前、道路脇の田んぼに白鳥の大群が。写真を撮っておけば良かったとも思いますが、その瞬間は撮影時間も惜しい気がしました。北海道の大自然と、そんな場所で暮らしていることの嬉しさを感じました。

今日の1曲
Yoshika Colwell  'Jump Right In'
イギリスの現代の音楽シーンもちょっと気になっているのですが、また素敵な音楽を生み出してくれる人が今年デビュー。ウェブサイトによると、田舎でトレーラーハウスに暮らしているとか。自由そうとか羨ましいとか簡単に言わない方がいいのだろうけど、やっぱりそんな生き方には憧れる。


02 November 2024

10月31日 みんたるマンスリー Vol.1

昨日は、みんたるでのマンスリーライブ第一弾でした。普段から何かとお世話になっているみんたるからは、確かもう1年以上前から「毎月ソロライブやったら?」とお誘い頂いていたものの、何事においても僕は行動が遅いため、やっとこさの始動となりました。

毎月演奏するなら、毎回テーマを決めて、それに沿った曲を多めに取り上げるようにしたい、ということはずっと考えていました。ルネサンスのリュート曲だけでも、同じ曲の別バージョンもそれぞれ1つと数えるなら、2万曲以上も現代に残っているとさえ言われます。ニッチ楽器に見えて、実は途方もなく広くて深いリュートの世界。僕自身、その氷山の一角だけでも探究してみたいのです。今回のテーマは、ハロウィンのお祭り気分で「変な曲」。変と言うと語弊がありますが、タイトルや音楽そのものなど、何かしら面白い・興味深いと思う曲を取り上げました。

本番は予想以上の数の方にお越し頂き、超遠方の方もいらっしゃったり、びっくり&感謝感激。皆さまありがとうございました。温かい雰囲気の中、気合いを入れて演奏しましたが、要修行という感想はいつも通り。精進続けます。

今日の1曲
The Gloaming  'Fáinleog (Wanderer)'
何年も前にたまたま聴いて、茫然としてしまった曲。これは音楽の究極の地点に行き着いた人たちが、その極地で奏でる音楽なのか。自分の視線が自分を向き、そして針を突き刺すように内側にどこまでも入り込んでいく。その針は一生を貫き、過去の一切の物事が一斉に体の中に蘇ってくる。カッコつけているみたいですが、そんな感覚すら覚えるのです。