23 March 2025

Schedule

活動予定

2025年

4月19日(土) Jackの昼下がりKakkey Trio Live
open 14:00 / start 15:00
Jack in the Box (札幌市北区北11条西1-2-18)
¥2,500+オーダー
出演:柿崎さとみ(歌)、小松﨑健(ハンマーダルシマー)、中島康宏(リュート)

3月22日 Balladの世界

ここのところ投稿が止まってしまっていました。文章を書くということは結構好きなのですが、とにかく書くのが遅く、ついつい後回しにしてしまいます。この数か月は、内側に籠り、自分の音楽や自分自身と向き合いたかった時期でもありました。これからまたポツポツ書いていければと思います。

さて昨日は、日本バラッド協会主催の札幌でのコンサートに、トラッドユニットFine.さんのゲストとして出演させて頂きました。昨年夏のFine.さんとのライブにバラッド協会の方がお越しくださり、その場でぜひ来年のコンサートに出演を、とお誘い頂いたものです。正直「バラッド」というジャンルはそれまであまり意識していなかったのですが、たまたまその時演奏していた曲でそれにあたるものがあったようです。今まで何気なく弾いていたリュート曲で実はバラッドに分類されるものが多くあることも、それから知りました。

会場は、札幌軟石造りの古い倉庫を改装して作られた、北海道教育大学の施設のHUG。ヨーロッパの石造りの教会を思い出しました。その会場がほぼ満席となるほど多くの方々にお越し頂き、開演前は心臓の鼓動が自分の耳で聞こえそうなほどの緊張。とにかく演奏の土台部分を崩さず弾き通すことに集中しようと覚悟を決め、ここ暫く続いていた演奏の不調と極度の緊張の割にはベストを尽くすことができたと感じ、肩の荷が下りた気持ちでした。

ただ、僕は常々、リュート(およびアコースティック楽器全般)の演奏で一番大事なのは音色であり、そういった楽器や伝統的な歌などの「本当の」魅力を伝えるためには生音演奏しかないと考えているのですが、昨日のコンサートにおいては、そのことに少し意地になり過ぎてしまった気もします。ただ単に自分の主張を通すだけではいけない、と帰宅してから反省。その意味でも、得られるものがあった1日でした。

久しぶりの方々と何人もお会いし、話をして、元気を頂けたのも良かったです。

何か文章を書こうという時には、たいてい思うことがあり過ぎるのも遅筆の原因。今日はここまでにします。

今日の1曲
André Lislevand & Anna-Liisa Eller  'Kapsperger'
リュート界のスーパースターRolf Lislevandを父親に持つ、正真正銘のサラブレッド・ガンバ奏者André Lislevandと、エストニアのカンネル奏者Anna-Liisa Ellerの思いがけない組み合わせを、昨日偶然見つけました。エストニアは僕がこれまで一番長く暮らした海外の国であり、そんな国の楽器とのコラボとは何だか嬉しくなります。曲は、17世紀の鬼才リュート奏者Kapspergerが、自分自身の名前をタイトルにして書いたもののアレンジ。この曲にこんな要素があったのか!こんな風に弾けるのか!と目から鱗。久しぶりに衝撃と刺激を受けました。ラフな服装もいい。音楽でも何でも、みんなもっとラフに行こう…。

29 November 2024

11月25日、27日

 11月25日
一風来にて、歌の柿崎さとみさん、ハンマーダルシマーの小松﨑健さんと僕によるカッキートリオ、2回目のライブでした。
週初めでしたが、思ったより多くの方がお越しくださり感謝です。曲は初回ライブと同じくイタリアとイギリスのルネサンスを中心に。リュートの音が大きくなった、と評価を頂きました。音が小さいと言われがちなリュート、元はと言えば僕はそこに魅力を感じて始めたところもあるのですが、実際はそこそこ音の出る楽器だと思います。僕の師匠のシグルンは特に音が大きく、あるコンサートではあまりによく聞こえるので、スピーカーから出ているのかと思ったほど。ひ弱なイメージをどうにか払拭したいと取り組み続けてきたのが、ようやく少しずつ形になってきた気がしました。
カッキートリオ、ますます勢いに乗って、次回は年末12月28日、そして2月にもライブが決まりました。

11月27日
みんたるにて、マンスリーライブ第2回でした。今回のテーマはイングランドとしました。有名なダウランドをはじめ親しみやすい曲が多く、言語も英語なので抵抗感が少ない気がする地域です。僕も最初によく聴いていたリュートCDのうち一枚はスティングのダウランドだったし、練習する曲もイングランドものが多かったのですが、リュートに深入りするうちにイタリアやスペインの音楽に軸足が移っていき、イングランドのソロ曲はめっきり弾かなくなっていました。初心に帰るためにも、今月は密かにイングランド月間にしていたのです。

プログラムは、ダウランドはあまりに有名なので他の人たちをぜひご紹介したいと思い、最終的にリュート作曲家としてはダウランド以外に9人が揃いました。準備をしていて、こんなにたくさんいたんだ…と思いましたが、これでも網羅はできていません。準備しきれなかった曲もあり、今後も取り組んでいきたいと思いました。今回もたくさんの方がお越しくださり、感謝しかありません。もっと良い演奏ができるようにならなければ、とひしひし感じました。

今日の1曲
Imogen Heap  'Hide And Seek'
イングランド繋がりで。ただただマジカルな4分半。幼少期の両親の離婚経験を元に書いたと言われていますが、不幸な経験が素晴らしい芸術を産み他の人を幸せにする切なさを感じずにいられません。つい先日、詳細を忘れてしまいましたが、確かあるルネサンス時代の人の「芸術家はその才能で自分自身が癒されることはない」といった意味の言葉を目にしました。まさにそんな曲だと思います。


19 November 2024

11月17日、18日

11月17日
札幌市豊平区の豊平教会にて、中世音楽コンサートにゲスト出演させて頂きました。
何よりまず、初めて見るアルメニアの笛ドゥドゥクに興味津々。奏者の藤川さん曰く「良いリードに当たった」そうですが、とても素敵な音色でした。古く懐かしくも、モダンにも聞こえる、不思議な音。
コンサートは中世の写本の解説にかなり時間をかけながら進みましたが、終演後のアンケートでは、もっと話を聞きたいという声も多くあり、ニッチ分野でもこんなに興味を持ってくれる方がいるんだと嬉しい気持ちでした。


11月18日
一風来でのソロ演奏でした。こちらでも毎月演奏させて頂けることになり、主にランチの時間帯に、気まぐれメニューならぬ気まぐれ演奏で、ニッチ音楽を気軽に聴いて頂けるようにしたいと考え中。
今回は、ライブ・コンサートでは初めてウクレレを導入してみました。僕にとってはウクレレも大事な楽器、ライブの場で弾いてみたいとはずっと思っていたのです。やっぱりリュートの方がインパクトがあるからか、導入の効果のほどは微妙でしたが、いつか誰かが何かを感じてくれるのを期待して、また懲りずにやってみたいと思います。

今日の1曲
Jacob Collier  'Never Gonna Be Alone'
Blogothèqueの動画が出てきたので、やっと話題のJacob Collierを聴いてみたら、なるほどすごかった。音楽の星の元に生まれた人っているんだなぁ。バンドの人たちも何か全員すごい。Blogothèqueの映像もいつも素敵だなと思います。


11 November 2024

11月10日 ギャラリーあまりや

今日は札幌近郊の長沼町にある「ギャラリーあまりや」さんにて、開催されていたイベントの出店者さんにお招き頂き、演奏してきました。

今日の演奏曲は、ほぼイギリス(イングランド)ものでまとめました。お店の雰囲気やオーナー靜子さんの暮らしなど、僕はイングランドの静かな田園を感じるのです。長沼の開けた土地も、起伏の比較的少ないイングランドにありそうな風景です。

今日聴いてくださった方々は、みなさん超パワフル。コンサート中から演奏後までリュートの質問攻め。僕もまだまだ分からないことばかりなので、答えに困ることもしょっちゅうですが、自分の大切な音楽と楽器のこと、聞かれれば聞かれるほど嬉しいものです。温かい声に囲まれ、改めて、演奏者として一層頑張らなければと身に沁みて感じました。

お店に着く少し前、道路脇の田んぼに白鳥の大群が。写真を撮っておけば良かったとも思いますが、その瞬間は撮影時間も惜しい気がしました。北海道の大自然と、そんな場所で暮らしていることの嬉しさを感じました。

今日の1曲
Yoshika Colwell  'Jump Right In'
イギリスの現代の音楽シーンもちょっと気になっているのですが、また素敵な音楽を生み出してくれる人が今年デビュー。ウェブサイトによると、田舎でトレーラーハウスに暮らしているとか。自由そうとか羨ましいとか簡単に言わない方がいいのだろうけど、やっぱりそんな生き方には憧れる。